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やさしいインボイスの始め方⑤|知らないと困る違反事例・取引で注意すること




シリーズ『やさしいインボイスの始め方』

第5回では、インボイス制度に関する違反行為(取引条件の注意点)について解説していきます。

インボイス対応していないと取引が減るかも...

・免税事業者という理由で 値切られると困る...

などの不安を解消するのに役立つ内容です。

  • このページで分かること

インボイス制度に関する違反行為6つ

”こんな取引はダメです”

※このページでは、公正取引委員会の公式HPなどから集めた情報を分かりやすくまとめています。

 

インボイス制度での違反行為とは?

2023年10月からインボイス制度がスタートします。これに伴い、今までの取引条件を見直すことがあるかもしれません。事業者同士がどんな条件で取引するのかは、基本的には自由です。

ただし、インボイス事業者として登録しない事業者に対して 不利な条件を一方的に押し付けることは違法になる可能性があります。

取引の内容が下請法違反独占禁止法違反になっていないか 事前に知っておくと安心です。

 

 

違反行為6つ

取引上優位な立場にある事業者が、その立場を不当に利用して一方的な取引を行う行為はNGです。違反の可能性がある行為を6つ紹介します。

 

①免税事業者であることを理由にした 大幅な値引き

②免税事業者であることを理由にした 商品・サービスの受取り拒否や返品

③免税事業者に対して、取引価格を今まで通り変更しない代わりに 別で協賛金等の名目で金銭を要請すること

④免税事業者に対して、取引価格を今まで通り変更しない代わりに 取引に関係ない商品やサービスの購入を強制すること

⑤免税事業者に対して、一方的に低い取引価格を設定し、それに応じない場合は取引を停止すること

インボイス発行事業者(課税事業者)にならなければ取引価格を引き下げる、または取引をやめるということを一方的に通告すること

 

事業者同士がどんな条件で取引するのかは基本的に自由です。ですが、次の条件が当てはまる取引には注意が必要です。

■この2つが当てはまる場合は注意が必要です

・取引上の立場に優位差がある。(買手が大規模事業者で、売手が小規模事業者の場合など。)

・免税事業者が、今後の取引の事を考えて不当な条件を受け入れざる得ない状況である。

この条件に当てはまる上で、違反となり得る行為①~⑥を行った場合は、問題となる可能性があります。

違反行為① 取引価格の値下げ

インボイス対応していない事を理由に、取引価格を著しく値下げする。

また、取引上優位な立場である事業者が免税事業者に対してインボイス事業者への登録を要請したにも関わらず、取引価格を著しく低くした場合は問題となる可能性があります。

 

違反行為② 商品の受取拒否・返品

契約後に免税事業者であることを理由に、商品の受取を拒否した場合。また、正当な理由なく返品した場合は問題となる可能性があります。

 

違反行為③ 協賛金等の要請

免税事業者に対して、取引価格の変更をしない代わりに 協賛金などの名目でお金を要請した場合は問題となる可能性があります。

 

違反行為④ 購入の強制

免税事業者に対して、取引価格の変更をしない代わりに 無関係な商品やサービスの購入を要請した場合は問題となる可能性があります。

 

違反行為⑤ 取引の停止

免税事業者に対して、一方的に 免税事業者が負担していた消費税も払えないような価格にするなど 著しく低い取引価格を設定し、これに応じない場合は取引を停止した場合は問題となる可能性があります。

 

違反行為⑥ インボイス事業者になるよう強く要請し、さらに…

免税事業者に対してインボイス発行事業者(課税事業者)になるようにお願いするだけでは問題にはなりません。しかし「応じないと取引価格を引き下げる」「取引停止」などと一方的に通告することは問題となる可能性があります。

また、取引先からの要望に応じて 免税事業者がインボイス発行事業者(課税事業者)になったのに、一方的に取引価格を従来のままにすること(課税事業者になったのに値上げさせてくれない)。

 

違反事例3つ(マンガで説明)

ここからは、公正取引委員会のホームページで紹介されている図を使い、違反事例を具体的に紹介していきます。

事例1:契約完了後にインボイス事業者でない事がわかり、消費税分を支払わない

インボイス 違反行為

出典:公正取引委員会HP

契約が完了した後でインボイス事業者でない事が分り、消費税に相当する金額を支払わない場合は…

⇒下請法違反となります。

事例2:取引先の求めに応じて課税事業者になったが、値上げ交渉に応じてくれない

インボイス 違反行為

出典:公正取引委員会HP

継続的に取引関係のある下請け事業者に対して、免税事業者であることを前提に発注を行った。

その後、今後の取引があることをふまえてインボイス対応事業者(課税事業者)となるよう求めた。

下請け事業者はその求めに応じて課税事業者になったものの、その後の価格交渉をしてくれない場合は…

(免税事業者から課税事業者になったのに取引価格は免税事業者時代のまま値上げさせてくれない。)

⇒下請法違反となる恐れがあります。

 

事例3:「インボイス事業者にならなければ消費税分は払いません」「無理なら今後の取引は考えさせていただきます」と一方的に通知

インボイス 違反行為

出典:公正取引委員会HP

・免税事業者のままなら、価格を引き下げます。それがダメなら今後の取引は考えさせて頂きます。

インボイス事業者になって頂いても、価格は今まで通りでお願いします。

こういった内容を一方的に通知され、交渉させてもらえない場合は…

独占禁止法上問題となるおそれがあります。

 

違反かな?と思ったらここに相談

一方的な取引条件などを伝えられ、この取引は違反かな?と不安になったら、公正取引委員会中小企業庁へ相談してみて下さい。

 

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参考

・免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&A(公正取引委員会公式HP)

https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice_qanda.html

インボイス制度後の免税事業者との取引に係る下請法等の考え方公正取引委員会公式HP)

https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/invoice/invoice_jirei.pdf