2021年11月11日に大阪府・吉村知事の会見が実施されました。
その会見の中で、飲食店に関係しそうな発表と質疑応答がありましたので紹介します。
この記事では、下記の項目について紹介しています。
■発表事項
飲食店で実施した実証実験の結果について
■質疑応答
実証実験(ワクチン検査パッケージ)の結果について
ワクチン検査パッケージの今後の導入について
今回の発表事項にあります、「飲食店で実施した実証実験」の検証内容については、こちらをご覧ください。↓
【大阪府・飲食店】ワクチン・検査パッケージの実証実験について(10月25日から開始)_2021.10.21時点の情報 - 大阪の飲食店向け情報サイト
参加店舗も紹介しています。
実証実験の結果
今回の会見で発表された、「実証実験の結果」について紹介します。
利用者の内訳
参加した利用者合計人数:816名
約51%の方が、ワクチン接種済みの証明書を持参されて入店しており、約48%の方が抗原検査を実施されて入店したとのことでした。
■ワクチン接種証明書持参の方:418名
■陰性証明を持参の方:4名
■実証実験の対象店舗近くに設置していた抗原検査会場で抗原検査を実施した方:389名
■子供:5名(ただし子供は対象外)
大阪コロナ追跡システムへの登録
今回の実証実験で、大阪コロナ追跡システムに登録された数は、228件でした。
利用者の年代
利用者として参加者した方のうち、アンケートに回答された方(650名)の年齢内訳はこちらです。
■20~30代:約50%
■40代~50代:約40%
利用者が参加した理由
利用者として、今回の実証実験参加した理由は次の通りでした。
第1位:そのお店に行きたかったから
第2位:コロナにかかる感染リスクが低いのではないかと思ったから
第3位:既にワクチンを接種していて手間なくいけるから
第4位:行動制限緩和の実証実験に協力したかったから
そして、年代別に見た実証実験の参加理由としては、
■若い年代では、「そのお店に行きたかったから」という理由が一番多かったそうです。
■40代、50代では、「実証実験に協力したかったから」という理由や、「コロナにかかる感染リスクが低いと思ったから」という理由が多かったそうです。
入店時の確認作業について(利用者の回答)
利用者として参加された方にとって、入店時の確認作業(ワクチン接種証明書等の確認や本人確認)が簡単であったか、あるいは手間であったかについては、約90%が「簡単だった」「そんなに手間がかかるものではないと思った」と回答されたそうです。
ワクチン検査パッケージ導入の賛否について(利用者の回答)
ワクチン検査パッケージのシステムについて、「賛同できる」か「賛同できない」かを聞いたところ、利用者のうち92.5%が「賛成できる」と回答されました。
ただし、今回はそもそも実証実験に好意的な方が参加し、このアンケートに回答しているとも考えられる。との補足がありました。
店舗側の意見
ワクチン検査パッケージに協力した店舗側にもアンケートを実施されたそうです。
店舗側の意見はこちらです。
■ワクチン接種証明書の確認と、本人確認を実施する作業に手間がかかった。
■利用者への説明に手間かかった。
■利用者の中で、ワクチン接種済みであるが、証明書を忘れた方が多かった。
■ワクチン未接種の利用者に検査を拒否された。
■平日で利用者が少ないので対応できたが、現在の手順では混雑時に対応できない。
■来店した方に、「店に来てもらったけれど、抗原検査会場までいったん行って下さい。」というお願いをするハードルが高い。そしてそれを回避するために各店舗で検査を実施するのは不可能(場所・スタッフ)。
■外国人利用者への説明が難しかった。また、外国人アルバイトによる利用者への説明が難しかった。
今後のワクチン検査パッケージ導入については、積極的に参加したいという店舗は0店舗だったそうです。
ただ、「感染拡大期の制限緩和の要件として取り入れるのであれば採用する」という店舗は7店舗あったそうです。
国への提案
今回の実証実験の結果から、国へ提案する事項は次の2点です。
■この制度を本格的に導入するのであれば、スマホにオールインワンの形でワクチン証明が入っているという状況にする必要があると考える。
スマホでワクチン接種証明をスッと出せるようになれば、店側も一目でチェックができるので、簡便な手法を使った導入が重要。
■検査を近傍の施設で実施できる仕組みが非常に重要だと考える。
ワクチン接種を終えていても、その証明書を持っていない方も多かったのと、ワクチンを打たない方への仕組みとしても必要。
質疑応答
実証実験の結果発表の後に、質疑応答が実施されました。
その中から、飲食店に関係するものを紹介します。
記者の方から質問が出た順番に掲載しています。
質問1. 実証実験の結果
政府の方に提案をすると言う事ですが、この実験をうけて、府の対策として何か参考にしていきたいというふうな結果とかものというのは、何かあるのでしょうか。
はい。まずこの検査に参加していただいた皆さんは、比較的、元々検査に参加しようとしたお客さんもいれば、行ったらたまたまそのお店が検査対象店だったということもある中での色んなアンケートも踏まえた結果がですね、
利用者の方は比較的、好意的にとって受け止めていただいたと思ってます。
9割以上の方がこの制度にも賛成だし、それほど手間はかかってないねと思われている。
また、特に中高年、これは重症化しやすい年代ですけど、その年代の皆さんからは、この制度に協力したいというのも、もちろん理由としてありましたが、
もう一つ大きく数字が出たのが、やっぱりワクチン打ってる方とか陰性が確認された方とお店に行くと、安全に食事を楽しめるから、というのが中高年層には多かったです。
という事からすると、やっぱりこの中高年層いうのは非常に大きなボリュームゾーンですから飲食の対象としては、
ですので、そういった層の方に安心して、飲食してもらうという意味でも、ワクチン検査パッケージを、どの段階で使うかというのもちろんあると思うんですけども、
感染が一定広がってくるような段階で採用するというのは十分意味があると思ってます。
今回大阪府で行う、観光のいらっしゃいキャンペーンの方、観光業の支援の方ではこれはもう使っていこうとは思いますが、ただ観光業の方は、どうしてもホテルで確認するので、それは確認の手間というも、フロント事務とかがありますから、そういった意味でとれるとは思いますが。
飲食店の場合は、ほんとに飲食のためだけにちらっと寄られる方が多いわけで、そこへ飲食店にお願いするには、もう一つ大きいハードルがあると、今回改めて思いました。
飲食店は特に、店長は分かっていても接客するのはバイトさんであったり、入り口のところでやるわけなんで、やっぱりそこでなかなか、
バイトさんの中には、外国人のバイトさんもいらっしゃいましたし、飲食店の方からすると、なかなか入り口で厳密にやるのが、非常にハードルがある。
そのハードルを下げてもらいたいという、思いだと思います。
決して後ろ向きでは無いとは思いますが、その事務をなんとか減らしたいと、これは最もなご意見だなとやっぱり思いますので。
お客さんがそれほど、このワクチン検査パッケージに対して非常に好意的に思っていただける方が多かったので、そういった意味では後は飲食店の方の受付の、最初の段階の事務をいかに簡易化するか、ここが重要だと思ってます。
大阪で導入する場合でもやぱりこれが重要だと思いますから。
この辺りは、先程申し上げた通り、スマホで本人確認を含めた一元管理システムを、早期に国に導入してもらいたい、そう思っています。
今今大阪で、飲食店でこれを導入するということは考えてはないです。
大阪府で進めていこうとするのは、大阪府が主催する事業であったり、あるいは税を投入して消費を喚起する。
まずは府内の皆さんが、府内で宿泊を楽しんだり、食事を楽しんだりするっていう、そこには採用しようと思ってます。
そうじゃないところで、要請をするというのは今の段階ではないです。
だからそれを、ある意味、要請が、こちらも要請する側ですので、飲食店の負担っていうのは考えますから。
できるだけ早く、要請するハードルを下げるという意味でも、今回、要望の2点ですね、
1点はスマホ管理。
2点目は近傍で検査を簡単に受けられる仕組み、ここを国に要請をして、ある意味国と協力してやってきたと思います。
そこが整えば大阪でも実施できるんじゃないかなと。
そこを整えずにやる場合もありますけど、感染状況との兼ね合いですので、
やる場合もあると思いますが、そうなるとちょっと飲食店には手間がかかる。
飲食店からの意見としてもあったのが、これは一部エリアでやるのはできれば控えていもらいたいと。
やっぱり手間がかかってもやると言うのだったらそれはそれで意見があるかもわからないけれど、一部エリアでやると自分たち、お客さんが逃げられても困るし、自分たちの手間がものすごくかかるから、できれば広い範囲でお願いをしたいと言う意見もありました。
質問2. 実証実験の結果
3ページ目のですね、ワクチン検査パッケージ採用の意向を、たぶん店舗側に訪ねてると思うんですけども、回答数8で、
これ12店舗参加してて、残りはお客様の要望があって、認証の要件になっていたとしても採用しないっていう回答なんでしょうか。それとも無回答?
(知事から大阪府スタッフ向けに:これは単純に無回答?これ以外の回答あるんですか?)
大阪府スタッフ:1件分からないという回答がありました。11件回答があったんで、12店舗対象にやりまして、11店舗から回答がありました。その中で、8店舗こちらの通りなんですけど、あと分からないと回答されたところがあったという事でございます。
積極的にやりませんと言う意味ではないとは思います。
質問3-1. ワクチン検査パッケージの導入
今回のワクチン検査パッケージの結果を受けて、改めて、どういうふうに今後活用していきたいとお考えでしょうか。
感染が拡大した時に、できるだけ時短要請とか、あるいはお酒の提供自粛じゃなくて、ワクチン検査パッケージを導入したいと思っています。
で、そうすることによって飲食の皆さんもやはり営業続けることが可能になりますし、飲食の場も、それやらないよりはリスクの低い安心な場になるので、そのために活用したいと思っています。
もちろん感染が圧倒的に少ないような状況では、なかなか負担も多いし、まだ整ってないので、そこの提案に書いてる通り、スマホにも整ってないし、まだまだ11月の末ぐらいにならないと2回目終わる人も日程は完了しないので。
そういった意味では、まだ途上の段階、まさに実証実験の段階だと思ってます。
なので今後おそらく12月とか1月に僕は感染は増えると思ってますから、増えた時に、それも圧倒的に増えれば、ちょっとまた色んなお願いっていうのは、専門家の意見とか聞きながらとかであるかもしれませんが、できるだけそれはやりたくないと思ってますので、
そういった意味で医療体制も強化も圧倒的にしてますし、安全、体制を医療の部分でもやりながら、入り口の1番の川上の部分での感染の広がりを防ぐと言う意味で、飲食の場を感染から守ると言う観点から、やはりここを、感染が広がるような状況になってきた時にですね、まずこれを採用する、できるような、土壌を今のうちに整えておきたいと思いますし、
ただこれ大阪府だけでは整えられないので、国においてスピード感を持って対応してもらいたいと思います。
12月に入るとやっぱり波が出てくると思いますから、あまり残された時間はないと思ってますんで。
今少ないからと言ってゆっくりしてるのはやっぱりダメで、増えてくると思います。
なので、いつ増えてくるか分かりません。
なので、国は、選挙も終わりましたので、できるだけ早くワクチン検査パッケージの制度設計、これは陰性検査も含めてですね、早くその仕組みを作ってもらいたいと思います。
我々としても結果が出ましたから、情報提供して共有もしてますし、他でもワクチン検査の実験やってますから、それを踏まえて、スピード感を持って国には対応してもらいたいと思います。波は待ってくれませんから。
質問3-2.ワクチン検査パッケージの導入
そうですね。感染状況にもよりますが、基本的にはやっぱり飲食店の皆さんのご意見もあった通り、一部のごく狭い地域でやるというよりは、一定の広い範囲でやるべきだと思います。
質問3-3. ワクチン検査パッケージの導入
具体的に大阪市内全域とか、何か検討されていることはありますでしょうか。
いやまだそこまで検討はしてないですけれども。
ごく一部の地域だけで、例えばミナミとかキタの地域だけとか繁華街だけでやると言うよりは、広い地域で一体で、やはり導入する時はやるべきだと思います。
最後に
この記事の内容は、2021年11月11日の情報です。最新情報は大阪府のホームページ等でご確認下さい。
なお、発言内容を一言一句全て書き出しできているわけではありません。
文章では分かりにくい部分は、動画などでもご確認頂ければ幸いです。